リンパ腫の疑いがある猫の病状をコルディとステロイドの併用で長期に維持した症例報告をいただきましたのでご紹介します。

リンパ腫の疑いがある子にコルディを使用した例

猫 雄 13歳 (2002年2月生)
  • 2015年2月より週に1回、1日に10回ほどの嘔吐が始まり、同年8月より4日ほど症状が治まらず入院。(診断は急性膵炎)
  • 同年9月より慢性的な下痢、それに伴い嘔吐(1日1回程度)も併発。食欲は旺盛。
  • 血液検査、エコー検査で、炎症性腸炎(IBD)の可能性もあるが、リンパ球が多い・腸エコーで怪しい部分があるということからリンパ腫の疑いが強いと診断されたため、通販サイトよりコルディを購入。
  • 開腹&確定診断は避け、ステロイド治療とコルディで様子を見ている。

猫ちゃんの病名がほぼリンパ腫で確定なのか、お食事の内容等も検討したいとのことでメールにてご相談頂きました。

弊社からのアドバイス

・リンパ腫と確定するには情報量が乏しい、ステロイド治療はリンパ腫にも炎症性腸炎(IBD)にも用いられることからも、病名を確定するのは難しい。
・まずは、免疫を正常に戻すことで体の自然治癒力を高めることが大事。
・腸の怪しい部分については定期的にエコー等の画像検査を行っていただいたほうが良い。
・低炭水化物・高たんぱく質食をお勧め。

お食事については、腎不全を心配されていました。

腎不全の子ではたんぱく質制限が大事と言われておりますが、極端なたんぱく質制限は自分の筋肉を自己消化してエネルギー不足を補おうとしてしまうため、体はどんどん弱ってしまいます。

腎不全の症状が出ていないようであれば、しっかりとたんぱく質を摂取して筋肉を付けることで代謝を上げ、病気に負けない体作りを目指してあげてください。

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現在のご様子

ネコちゃんは、ワンちゃんに比べて味にデリケートな面があり、コルディを与えるのが大変というお声もありますが、こちらのネコちゃんは、幸いコルディをご飯に混ぜるといつもとてもよく食べてくれるとのことでした。

お食事は以前のドライフードはやめて、生肉・生魚、野菜、缶詰を与えていらっしゃいます。

ステロイドの影響で食欲旺盛となり、一気に食べ過ぎて嘔吐してしまったり、過食による慢性的な下痢も何回かあったようですが、今はそれも落ち着いているとのことです。

慢性的な下痢が起こり始めた2015年9月頃より油物を異常に欲しがるという所見もありました。

化猫は行灯の油を舐める」と言われているくらい、猫ちゃんは油が好きな動物ですが、ビタミンAやビタミンDが不足している時、このような症状が起こります。

恐らく下痢によって体内のビタミンが過剰排泄されてしまった結果、起こってしまったのではと考えました。

お食事を缶詰、生魚、生野菜に変えていただいてからは、このような症状も治まり、痩せていた体も健康体に近づき、毛艶も良くなってきたとのことでした。

2016年2月末に14歳のお誕生日を迎えられ、ステロイド減薬中に嘔吐が増えてしまった事もありましたが、現在はステロイドの量を調節しながら、症状は治まっています。
現段階で、触診等で腫瘍のようなしこりはなく、下痢嘔吐もなし、4.1kgまで減っていた体重も5kgにまで増えてくれています。

病名については未だ不明ではありますすが、今まで悩んでいらっしゃった症状が改善されたとのことで、喜びのご報告を頂きました。

野上エレナくん

野上エレナくん2016.04.27

最近のエレナくん。凛々しいお顔が素敵ですね。

その後

2016年4月上旬

換毛期に入り、毛玉を嘔吐。昨年にラキサトーンを処方されていたが、その時は投与翌日より下痢・しぶり腹、それ以降慢性的な下痢と吐き気が続いたとのこと。ラキサトーンの成分(石油由来)も気になっており、対策を考えているとのご連絡を頂きました。

ラキサトーンの石油由来の成分は、体に吸収されることがないものではありますが、油成分なため、過剰に摂取してしまうと下痢を起こしてしまう可能性があります。
嘔吐で排出するよりは便として出したほうが体に負担がないのですが、猫ちゃんの腸は伸びやすく、将来的に「巨大結腸症」になってしまう恐れや、腸で毛玉が詰まってしまう可能性も否定出来ないため、まず猫草でご様子を見ていただくことにしました。

猫草に関しては賛否両論ですが、ネコちゃん自身に影響を与える成分が入っていない猫草であれば、元来野生の猫ちゃん達は自分で草を 食べることで胃腸を刺激して毛玉を吐いたりしますので、毛玉が詰まってしまうよりは、猫草で対策したほうが良いのかもしれません。ただ、何事も過剰摂取はよくないので、食べる量を調節していただくようお伝えしました。

体調の方は落ち着いており、体重も安定しているとのことです。

4月中旬

調子は良好、ステロイドも減薬(3日に1回)になりました。昨年4月の血液検査で腎数値の軽度悪化があったことから補液を続けているとのこと。現在、ステロイドも服用しているため腎臓にも少なからず負担がかかっているので、補液は無理のない範囲で続けていただくと良いとお伝えしました。

補液の際の針の穿刺の影響で、首のところにシコリができていましたが、コルディを服用してから大きさが半分ほどに縮んだとのことです。

4月下旬

3日1回のステロイドで1週間程は落ち着いていたが、1度だけ激しい嘔吐があったとのこ。その後は落ち着いてお食事も食べたということです。
ただ、毛玉を吐くようになってから水分摂取量が増えたような気がするということでしたので、1日の飲水量を確認していただくようにお願いしました。ネコちゃんの1日の飲水量が体重(kg)×100mlを超えるようだと多飲の症状となります。

5月上旬

時々毛玉や少量の吐きがあるものの、それ以外はとても元気、体重が5.2キロに増えています。

5月中旬

体重5.28kgに増えているが、便が硬いのか何度も踏ん張る姿が見られるとのこと。嘔吐の内容物も以前のものと変わり、回数も増えてきている。1日に7~8回吐いてしまうことがあるということなので、毛玉が原因ではなさそう。

腎不全でもIBDでも便秘になることがあり、そこからの嘔吐ということも考えられるため、一度かかりつけで血液検査等をしてみてはとお伝えしました。

5月下旬

かかりつけで吐き気止めの注射をしていただき、嘔吐も落ち着いたが、また数日して嘔吐。吐いたものの中には大抵猫草が混ざっていたので猫草をやめてみたところ、吐き気が治まったということです。

血液検査も1月の結果から悪化している数値はなく、現状維持ができていました。エコー検査でも、前回、腸でやや怪しいところがあったそうですが、今回はそれも消えていたようです。レントゲンでも、腫瘍病変は見つからなかったとのことでした。

このまま、ステロイドは3日に1回のペースを保ち、お食事、コルディで様子を見ていくことになりました。体重5.0kg

6月中旬

体調は頗るよく、体重も5.28kgまで回復。

お食事に混ぜていたステロイドに気付き、数日間ステロイドを全量は与えられなかったが、調子は良好、食欲旺盛。
以前できていた首の後のシコリも、完全になくなったとのことです。

6月下旬

引き続き体調がよく、体重も5.2㎏を維持。
ステロイドがお食事に混ざってないか疑うようになり、一時体重が100g減ったことも。

手作り服薬ゼリーを検討していたところ、人間用の粉末煮干しに興味を示したため、ウェットフードの上に粉末煮干しをふりかけてステロイドを埋め込んだところ、すんなりと食べてくれたそうです。

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7月

一時的に下痢になることもありましたが、比較的体調は安定。
体重も変わらず5.2㎏です。

8月

重めの下痢が続いてしまったが、元気食欲は維持できているとのこと。
ただ、以前は食べていた生鶏を食べなくなったようです。

膀胱炎疑いの症状も出てきているので、暑さによる免疫力低下が懸念されます。
体重はやや減少して5.1㎏です。

9月

下痢が続いていましたが、鰹パウダーを振り掛けた生鶏を食べた後、良好な便が出たとのこと。
生鶏に含まれる酵素等の影響によりお腹の調子が整った可能性もありますが、数日後に下痢が再発。

お刺身や生鶏を増やしたところ、また良便⇒数日後には下痢になるという症状を繰り返していました。
良便と下痢の時で、お食事内容の大きな変化がないことから、IBDもしくはリンパ腫の悪化も懸念。
しかし、元気食欲は問題なく、体重もやや増加しているとのことです。

11月

9月以降、嘔吐回数がやや増え、体重も4.6kgまで減少したため、ステロイドを1日1/2錠に増やし、改善が見られたところから隔日投与に変更。
コルディも倍量で与えていただいていました。

動物さんたちの免疫力が1番下がる晩夏~初秋に、IBDもしくはリンパ腫が暴れ始めたようですが、ステロイドとコルディを増量することで乗り切ることが出来ています。
調子ももとに戻りつつあり、体重も4.88㎏まで増加しました。
元気食欲は相変わらず安定しており、おねだりアピールもしているとのことです。

12月

体重の変化もなく、食欲も旺盛で、クリスマスには小さい頃からの好物であるKFCフライドチキンも食べたとのことです。
ステロイドは3日に1/2錠に減薬することが出来、2日1度程度で嘔吐はあるものの、便の状態も落ち着いているようです。

2017年1月

嘔吐回数が減らない事が気がかり。

以前より水を多く飲んでくるようになったとのことなので、腎不全がやや進行してきている可能性も懸念されます。
ただ、元気食欲は安定しているとのことです。

下旬より、下痢症状が再発し、それと同時に嘔吐回数もやや増えてきたようで、現在ステロイドの増量を検討中です。

2017年2月

ステロイドを併用しながら、症状の波を出来る限り穏やかに抑えています。
ステロイドの服用により、下痢は治まっています。

嘔吐の回数はあまり変わりませんが、食欲も問題なく、無事15歳のお誕生日を迎えることが出来ました。
今まではコルディを与えていただいておりましたが、今月より有機ゲルマニウムも追加処方してご様子を見ていただくことにしています。

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3月

嘔吐の回数が変わらないため、紅豆杉のサプリメントも追加しました。

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症状に多少の波はあるものの、嘔吐の回数も減ったりしているようです。
また、冷えの影響も考えられたため、お洋服を着せていただくことにしました。

2017年5月

4月末より体調の波が激しかったため、5月上旬に前倒しで検査をしたところ、リンパ腫ステージ5との診断。
体重減少がみられていたため、腸内環境を整えるために乳酸菌サプリメントをご案内し、使用を開始しました。

リンパ腫との診断の後、一時的に激しい嘔吐と元気食欲が廃絶してしまいましたが、その後嘔吐の回数も減少し、元気食欲も改善しています。
時折下痢を起こしてしまうため、下痢止めも併用しています。

ただ、体重減少を食い止めるところには至っていないため、今後の課題となってくると思います。

2017年6月

嘔吐の回数は変化なく、食欲も問題なし、便の状態は極めて良好。
ただ、体重減少が進み6月上旬は3.45kgでしたが下旬には3.15kgまで減少してしまいます。

アミノ酸をダイレクトに摂取できるBCAAと猫の必須アミノ酸であるタウリンを追加しています。
ステロイドは1日1錠に増量となりました。
梅雨時期で全身循環も滞りやすいため、ツボ刺激やマッサージをお願いしたところ、不思議そうな表情をしながらも、おとなしく気持ちよさそうにしていたとのことです。

今のところ穏やかな生活をおくることが出来ていますが、体重減少を少しでも食い止めていきたいところです。

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2017年8月

体重は更に減少して2.5kg。ステロイドは1日1錠で変更なし。
ただ、食欲は旺盛で元気も申し分なく、トイレまで自力で行くことができています。
嘔吐回数は、7月上旬は2日に1回でしたが、徐々に嘔吐回数も減り、8月には1週間嘔吐がない時もあったそうです。
ご自宅で皮下補液も開始されており、脱水の予防にもつながっていると考えられます。

2017-8

2017年9,10月

9月上旬はやや嘔吐の回数が増えたものの、補液の回数を増やしつつ、コルディも増量していただいたことで、下旬からは嘔吐の回数も減り、食欲元気共に申し分ない状態を保っていました。
10月上旬も、この良化状態が続いていましたが、下旬に入り、舌をうまく使えないようになったところから容体が急変。
痙攣を起こしたため、検査をしたところ極度の低血糖が分かり、ブドウ糖の投与で一時回復はしてくれましたが、翌日、虹の橋を渡りました。

リンパ腫疑いの診断から1年半以上経過したあとの様子(その1)
リンパ腫疑いの診断から1年半以上経過したあとの様子(その2)
リンパ腫疑いの診断から1年半以上経過したあとの様子(その3)

症状が出てから2年、リンパ腫疑いの診断から1年半以上。
通常は抗がん剤などの積極的治療を強いられることが多い中、ステロイドとコルディ、食事療法で症状改善が出来、その他サプリメントの力も相まって、最高体重7.5kgから、最期は2.1kgまで減少しながらも力強く生きてくれました。
通常であればもう命が尽きてもおかしくない状態でも、飼い主様ご家族が驚かれるくらいの生命力を発揮し、最期の時まで彼らしく過ごせたのではないかと思います。

ご冥福をお祈りいたします。

リンパ腫対策にコルディ

リンパ腫の子にコルディを与え、病状が改善したり病状が悪化せず維持できる例は少なくありません。
コルディは1ヶ月~1ヶ月半程度の短期間で効果判定していただけます。

当研究室では、コルディを投与することで免疫調整ができるのか、QOL(生活の質)の維持・改善ができるのか、癌への効果が期待できるのか研究を行っています。

ご不明な点がございましたら、お問合せ下さい

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リンパ腫の症例報告
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