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ご愛犬が脳腫瘍(のうしゅよう)を患ってしまった方へ
ご愛犬が脳腫瘍を患ってしまったとしても、取り組み次第で脳腫瘍と共存したり、克服する事もできるという事を是非とも知っていただきたいです。
ご愛犬が脳腫瘍を患ってしまいこれから治療を受ける方、治療中の方、もう治療を続けられないと言われてしまった方、全ての方のご参考になれれば幸いです。
犬の脳腫瘍とは?
脳腫瘍は脳にできる癌ですが、様々な種類があります。
脳に癌ができる原発性脳腫瘍と肺癌は乳癌(乳腺腫瘍)、悪性リンパ腫など他の部位にできた癌が脳に転移する転移性脳腫瘍(または続発性脳腫瘍)があります。
メラノーマ(悪性黒色腫)や血管肉腫なども脳に転移します。
脳のどの部分に癌ができるかによって現れる症状は異なってきます。
犬の症状だけで脳腫瘍であることを判断するのは難しいですが、いつもと違う行動が目立ってきた時にはできるだけ早めに獣医師の診察を受けていただく事をお勧めいたします。
犬が脳腫瘍になったとき現れる症状
犬が脳腫瘍を患ったときには脳のどの部分に癌ができたかによって現れる症状が異なりますが以下のような症状が出ることが多いです。
- 痙攣発作(けいれいい)を起こす。癲癇(てんかん)発作のような症状
- 精神的な変化、性格の変化(怒りっぽくなる、臆病になる、急に吠えるようになるなど)
- 目の変化:焦点が定まらない、視力が低下する、斜視になる、目が揺れる(眼振)など
- 首の捻転:平衡感覚が悪くなり首が一定の方向に曲がったままになる捻転斜頸が起きる
- 旋回運動(くるくる回る)したり、歩けなくなる、階段の上り下りができなくなる
- 姿勢や歩き方の変化:一定方向に傾いて歩いたり、ふらふら歩くようになる
- 食欲の変化:急に食欲がなくなったり、逆に可食になる
- 気力がなくなる
- 力が無くなる
- 耳が聞こえにくくなるため声や音の反応が悪くなる
- 失禁:トイレを我慢できなくなる
- 匂いに鈍感になる
- 認知症のような症状がでる
脳腫瘍の原因-犬の脳腫瘍
犬が発症する脳腫瘍の多くは原発性の脳腫瘍です。
- 髄膜腫(ずいまくしゅ)
- グリオーマ(神経膠腫)
- 未分化肉腫
- 脳下垂体腫瘍
- グリア細胞種
転移性の脳腫瘍(続発性脳腫瘍)は血管肉腫やリンパ腫、肺癌、乳腺腫瘍(乳癌)、メラノーマ(悪性黒色腫)などが脳に転移する場合があります。
原発性の脳腫瘍も転移性の脳腫瘍も他の癌と同様に高齢な犬での発症が多くなります。
ゴールデン・レトリーバーやドーベルマン、ボストンテリア、イングリッシュブルドッグなどの短頭種は他の犬種と比較して脳腫瘍が多いと言われています。
原発性肺癌・肺腫瘍の原因
原発性脳腫瘍の原因ははっきりわかっていません。
犬種により罹患率が異なるということは一部遺伝的な要素も考えられます。
その他にタバコの煙(喫煙者がいる)も原因になる可能性があります。
犬と同居している方は喫煙場所を考慮頂く事をお勧めします。
血液の流れが悪い、低体温も癌が発生しやすいため、身体を冷やさないように心がけてください。
脳腫瘍の診断-犬の脳腫瘍
検査には次のような項目があります。
- 症状の観察
- 神経学的検査
- 脳脊髄液検査
- MRI検査
- CT検査
既に説明していますが、脳に腫瘍(癌)があっても初期の段階では症状として現れにくいです。
ある程度癌が進行すると癌ができた場所により様々な症状が現れますが、気が付いたときには既に進行がんであることも少なくありません。
普段から犬の行動・状態を観察し数日間普段と様子が違う日が続いたら獣医師の診察を受けることをお勧めします。
ただしMRIやCT検査は費用も高額ですし、検査を受ける際には鎮静剤などの投与が必要になる事があるので、本当に検査が必要なのか獣医師とよく相談されることをお勧めします。
脳腫瘍の治療-犬の脳腫瘍
脳腫瘍の治療には以下があります。
- 外科手術
- 放射線治療
- 薬物治療(抗癌剤やステロイド)
- 代替療法
手術-犬の脳腫瘍
脳腫瘍が根治する可能性があるのは、外科手術で癌を取りきることができた時です。
癌が塊を作っていてまわりに浸潤していない場合は手術後に長期生存できる可能性がありますので、手術を受ける価値があると思います。
症状緩和目的で手術することもあるかもしれませんが、ほとんどケースでは手術適応となりません。
放射線治療-犬の脳腫瘍
手術との併用や、放射線治療単独での治療で用いられることがあります。
ただ、放射線に対しての反応は個々によって様々ですし、全身麻酔を必要とする治療のため麻酔薬による身体への負担は否めません。
老犬、肺に疾患のある犬の場合、麻酔のリスクは高まりますので慎重な判断が求められます。
また放射線治療は被爆の問題もあり何度も治療を繰り返すことはできません。
抗がん剤治療-犬の脳腫瘍
犬の脳腫瘍に対して抗がん剤で治療を行う事もあります。
しかし、脳には脳血液肝門という関所のような場所があり、ここを抗癌剤は通過しにくいため効果は限定的です。
副作用もありますから、本当に抗癌剤治療を受けた方が良いのか獣医師と十分な話し合いをすることをお勧めします。
抗癌剤治療を勧められたら、以下の記事をご覧ください。
そして抗癌剤治療を受けることがご愛犬の予後改善にプラスになるのか、副作用で苦しみが増すだけにならないかしっかり確認してください。
脳腫瘍が進行しない事を目指して抗癌剤治療をやると言われたら、副作用で苦しみが増しQOL(生活の質)が悪化することはないですね?と聞いてみてください。
抗癌剤治療を受けると決断したら、免疫対策のコルディと肝臓・腎臓のケアとして国産SPF豚由来プラセンタキス末で副作用対策を行う事でQOL(生活の質)改善が期待できます。
脳腫瘍の治療を受ける時に注意したいこと
手術も抗癌剤も放射線治療もメリットとデメリットがあります。
ご愛犬の状態を一番良く把握しているのは飼い主の皆様です。
獣医師に言われたから治療を受けたけど、治療を受けたら体調がかえって悪化してしまった、苦しみが多くなってしまった
という事にならないように、飼い主様が主体となりご愛犬のために治療を受ける・受けない・お休みするをご判断してあげてください。
脳腫瘍に対する代替療法
多くの代替療法はお身体への負担が軽いため同時にいくつかの治療を併せることも可能です。
身体へのダメージが少ないということは病期や病態を選びませんし、手術前や手術後の再発防止、手術できない症例、そして体力が低下している時でも多くの代替療法を行うことはできます。
特に次のような場合には代替療法を検討する意義は大きいと思います。
- 合併症が有り、一般治療ではリスクが高いとき
- がんとの共存を狙うとき
- QOL低下の回避を優先したいとき
- 確定診断が出る前
- 診断結果がどうも腑に落ちないとき
病院の治療(手術や放射線、抗癌剤など)と並行して代替療法を行う事も出来ますし、相乗効果も期待できますので、積極的に代替療法について考えてみてください。
ご自宅で出来ること~食事療法~
お食事は毎日のことですし、この食事によって私たち人間だけでなく、ワンちゃんのお身体は作られています。
免疫力を保てるようなお身体になるよう、日々のお食事をまず見直してみてください。
食事療法の目的は、がんの増殖スピードを低下させ、体力をつけ、貧血やアルブミン値などを改善させることです。
弊社では治療のベースとして栄養学的なアプローチを非常に重視しています。
がんが成長するためには糖質(ブドウ糖)が必要です。
糖質をできる限り制限していくことは直ぐに始められ、身体への負担もなく、副作用などのリスクもありません。
また一方で食事療法はご家庭でご家族の皆様の協力がなければ行うことができません。
魚やお肉、豆腐や納豆などのタンパク質をたっぷりと与えて、その分炭水化物・糖質が多く含まれれているフードの量を減らしていってください。
食事を変えるだけでは癌は治りませんが、脳腫瘍の成長に不可欠な糖質を制限することで進行速度を抑えることはできます。フードを与えるだけよりも時間・手間はかかりますが、あまり難しく考えず始めていただければ幸いです。
犬が脳腫瘍になったときの食事
ただ食事の準備が大変だと長続きしませんので皆様の手間を少しでも軽減して頂きたく、食材リストを作成いたしました。
ぜひご一読ください。
ペットだって医食同源―がんに負けないための食材
脳腫瘍対策には免疫対策が重要です
ご愛犬が脳腫瘍を患ってしまったとき、手術や放射線治療、抗癌剤治療を受ける・受けないにかかわらず免疫対策をすることはとても大切です。
コルディ研究室ではコルディが免疫に対してどのように働くかを研究しております。
完治できるか・できないかはわかりませんが、少なくとも食欲がでて元気を取り戻せる可能性は十分あります。
当研究室では、コルディを投与することで免疫調整ができるのか、癌への効果が期待できるのか研究を行っています。
ご不明な点がございましたら、お問合せ下さい。
監修獣医師:林美彩 所属クリニック:chicoどうぶつ診療所
代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。
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