猫の扁平上皮癌は皮膚に発生する悪性の腫瘍(がん)です。猫の場合、口の中にできる癌の大半は扁平上皮癌です。手術が第一選択肢になりますが放射線や抗癌剤治療を行う事もあります。一般に転移した扁平上皮癌の予後は悪いですが免疫の取り組みを行う事で体調が改善したりQOL(生活の質)を維持し元気食欲を回復させる事はできると考えています。実際コルディで免疫対策をすることで猫の癌をコントロールできた例は多数あります。
このページでは扁平上皮癌の原因や症状、治療法、改善・完治のヒントなどをまとめました。改善例も多数紹介しています。皆様の心の支え、希望の光となることができれば幸いです。
目次
猫の扁平上皮癌とは
皮膚や粘膜を生成する扁平上皮細胞という細胞が腫瘍化したものを、扁平上皮癌と言います。
猫の場合、口の中や目、鼻、口などの頭部に出来ることが多い扁平上皮細胞がある場所であればどの部位にでも出来るため、全身の皮膚や爪の周り、腹部などにも出来る悪性腫瘍の1つです。
特に、猫ちゃんの口腔内腫瘍(お口の中の腫瘍)の大半は、この扁平上皮癌と言われています。
猫の扁平上皮癌の原因と症状
扁平上皮癌が口腔内に出来る場合の多くの原因は、歯茎への刺激と考えられます。
固いドライフードやおやつなどによる慢性的な刺激が、歯茎の組織を傷つけ、細胞が癌化した結果、歯茎が盛り上がります。
その後進行すると、ただれや潰瘍、出血などの症状がみられ、血の混じったヨダレを流したり、痛みにより食べるのが辛く、食欲が減退していくという症状が見られます。
また、近年は、タバコの煙が犬や猫の扁平上皮癌の発生率を高めているとの報告もあります。
(タバコの煙は扁平上皮癌だけでなく、全ての腫瘍にも影響しますので、喫煙者がいらっしゃるご家庭では注意が必要です。)
扁平上皮癌が皮膚に出来る場合には、紫外線による細胞の傷害によるものと考えられています。
特に、白い毛の猫や、白い毛の部分、毛の薄い部分に発症しやすいと言われています。
扁平上皮癌が出来てしまった皮膚は、脱毛、かさぶた、潰瘍ができ、進行するとその部位が腫れてきたり、潰瘍、出血などがみられ、耳介にできた場合には脱落してしまうこともあります。
その他、猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症・FIV)やご高齢など、免疫力が低下している状態の子でも発症しやすい傾向があります。
猫の扁平上皮癌の診断と一般的な治療方法
猫の扁平上皮癌の診断法
診断には、腫瘍部位の組織検査(針生検、バイオプシー、部分切除、完全切除など)を用います。
治療は、外科的切除が基本です。
周囲に広がりやすい腫瘍のため、切り取る範囲は広範囲となり、傷口も大きくなります。
術後には放射線や抗がん剤治療などを用いることもありますし、手術ができない場合にも、放射線や抗がん剤治療を用います。
猫の扁平上皮癌の治療法-手術
手術には根治手術と姑息手術と2種類あります。
根治手術とは、再発を徹底的に防ぐために腫瘍を含めた周辺部位を可能な限り広範囲に切除しますが、あくまでも根治の『可能性』がある手術ですので、必ず『根治』するわけではありません。
姑息手術は、緩和手術とも呼ばれる方法で、広範囲な切除ができない・完全切除ができない場合に、腫瘍が引き起こしているも問題を一時的に解消することで、少しでもQOLを維持するために部分的に切除をする方法です。
腫瘍の一部分のみの切除で、がん細胞を取り残すことを前提とした手術となるため、手術だけでは根治を望むことはできません。
猫の扁平上皮癌の治療法-抗がん剤
抗がん剤は、現在は>分子標的薬のイマチニブ・トセラニブが用いられるようになっています。
分子標的薬とは、細胞の増殖や浸潤・転移などに関わる分子をターゲットとするため、従来の抗がん剤と比較した場合、副作用は少ないと言われています。
とは言えど、抗がん剤の仲間であることには変わりありませんので、お身体への負担を避けることはできません。
また、これらのお薬は、犬の肥満細胞腫で効果が現れているとの報告はありますが、他の腫瘍での使用実績はまだ明確にされていません。
日本小動物がんセンターの資料によれば、トセラニブについては、犬の扁平上皮癌で高い有用性が確認できているようですし、猫の扁平上皮癌においても、少しずつ有用性が確認できているようです。
抗癌剤治療を受けると決断したら、免疫対策のコルディと肝臓・腎臓のケアとして国産SPF豚由来プラセンタキス末で副作用対策を行う事でQOL(生活の質)改善が期待できます。
猫の扁平上皮癌の治療-放射線治療
扁平上皮癌は比較的放射線治療に反応しやすい腫瘍のため、手術との併用や、放射線治療単独での治療で用いられます。
ただ、放射線に対しての反応は個々によって様々ですし、全身麻酔を必要とする治療のため、麻酔薬によるお身体への負担は否めません。
扁平上皮癌に対する代替療法
代替療法とは名前のとおり、一般的な治療に代わる治療法のことです。さまざまな治療が考案され、一部の動物病院で実施されています。
多くの代替療法はお身体への負担が軽いため、同時にいくつかの治療を併せることも可能です。
ダメージが少ないということは、病期や病態をあまり選ばないということです。
手術前、手術後の再発防止、手術できない症例、肺転移症例でも多くの代替療法を行うことはできます。
また次のような場合には代替療法も大いに検討されることをお勧めします。
- 合併症が有り、一般治療ではリスクが高いとき
- がんとの共存を狙うとき
- QOL低下の回避を優先したいとき
- 確定診断が出る前
- 診断結果がどうも腑に落ちないとき
代替療法のデメリットはあまりありませんが、あえて列挙すると
- 手術とは違い、一回では治療は終わらない。
- 役立たないことがある。(手術や抗癌剤も同じ)
- 9割以上の動物病院は代替療法を行っていないため、近隣で治療を受けられる病院があるとは限らない。
- 普及率が低いため、ネットや書籍から情報を得にくい。
5.ご自宅で出来ること~食事療法~
お食事は毎日のことですし、この食事によって私たち人間だけでなく、ワンちゃん・ネコちゃんのお身体は作られています。
お食事の見直し=体質改善にも繋がります。
免疫力を保てるようなお身体になるよう、日々のお食事をまず見直してみてください。
食事療法の目的は、がんの増殖スピードを低下させ、体力をつけ、貧血やアルブミン値などを改善させることです。
弊社および一部の動物病院は、治療のベースとして栄養学的なアプローチを非常に重視しています。
がんの主たるエネルギー源は糖質です。その糖質をできる限り制限する食事療法は、科学的な見地から大きな意味を持ちます。
ほとんどデメリットがなく、試す価値のある取り組みです。
ネコちゃんの場合、お食事の変更はやや難易度が高いのがネックですが、現在のお食事から少しずつ切り替えていくことで、成功している子もたくさんいらっしゃいます。
特に、ネコちゃんは嗅覚による食欲刺激が大きいので、お食事の温度の工夫で成功することもあります。
また、狩猟本能を掻き立てることでも食欲が湧くことがあります。
ドライフードなどを投げて、彼らの狩猟本能を引き出してみてください。
もしかすると、今まで全く食べてくれなかったお食事でも、食べてくれることがあるかもしれません。
たかが食事、されど食事です。
どうか治療の一環だとお考え頂き、少々の時間を費やしてみてください。けして無駄にはなりません。
少しでも手間を軽減して頂きたく、食材リストを作成いたしました。ぜひご一読ください。
ペットだって医食同源―がんに負けないための食材
扁平上皮癌の予後改善のために
コルディはネコちゃんの免疫を整え病状の改善に寄与できる可能性が有ると考え研究を続けています。
扁平上皮癌だけでなく、様々な腫瘍での長期生存例や元気食欲を維持している例が報告されています。
手術や抗癌剤治療を受けると免疫力はほぼ確実に低下してしまいますので、その対策は考えたほうが宜しいと思います。
まずは良質のたんぱく質が豊富な良い食事を与え、副作用に負けない体力をつけてください。そして免疫を落とさないようにしてください。
化学療法(抗癌剤治療)や手術(特に麻酔)は免疫を下げてしまいます。
癌は私たちの身体に毎日発生しています。しかし、免疫がしっかりしていれば癌を見つけ出し、攻撃し、癌の成長を阻止することができます。
逆に免疫がしっかりと働かなければ、癌の発生を見逃してしまったり、癌の成長を許してしまいます。
ただし、免疫は高ければ良いと単純には言えません。自己免疫疾患のように過剰免疫も問題になってしまいます。
免疫は低くても高くてもダメなのです。中庸(ちゅうよう)という言葉がありますが、まさに免疫は中庸が大切、バランスが大切なのです。
ご愛猫の免疫システムを正常に戻すためにコルディがお役に立てるか研究を続けてます。
コルディによりご愛猫の免疫がしっかり働いてくれるようになれば、きっと癌との共存も可能になると思います。
扁平上皮癌の子に免疫のチカラを
ご愛猫が扁平上皮癌を患ってしまったとき、高齢であったり、体力的な問題があるため身体に負担のかかる積極的治療を行えないケースは少なくないと思います。
そのような場合でもコルディは身体に負担がないため取り入れることができますし、穏やかな日々を過ごせるようになることは多い印象です。
どこまで反応してくれるか、改善が見込めるかは分かりませんが、少なくとも食欲がでて元気を取り戻せる可能性は十分あります。
抗癌剤やステロイド剤、抗生剤などのお薬を使う場合は、肝臓の機能低下も心配です。
その場合は国産SPF豚由来プラセンタキス末を併用することで、肝臓へのダメージを最小限に抑えられる可能性があります。
既に肝臓の数値が悪化している子でも国産SPF豚由来プラセンタキス末をお飲みいただければ1ヶ月程度で肝機能が改善する例は少なくありません。
さらに扁平上皮癌は炎症を伴う事が多いため、抗炎症作用が期待できる南極オキアミから抽出したEPA/DHA・クリルオイルを与えることも有効であると思われます。
当研究室では免疫調整作用の期待できるコルディや肝機能保護が期待できる国産SPF豚由来プラセンタキス末、そして抗炎症作用が期待できるクリルオイルについて研究を続けています。 ご不明な点がございましたらお問合せ下さい。
監修獣医師:林美彩 所属クリニック:chicoどうぶつ診療所
代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。
所属: