27P-pm292S
The 145th Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Fukuoka). March 26-29, 2025.

ヒト膵癌細胞に対する Ophiocordyceps nutans の抗腫瘍効果

Anti-tumor effect of Ophiocordyceps nutans on human pancreatic cancer cells

○舩津 莉帆1、漆坂 繁則2、藤井 佑樹1,3、倉岡 卓也1,3、小林 秀光1,3、小川 由起子1,3
○Riho Funatsu1, Sigenori Urushizaka2, Yuki Fujii1,3, Takuya Kuraoka1,3, Hidemitsu Kobayashi1,3, Yukiko Ogawa1,3

1. 長崎国際大薬、2. モノリス、3. 長崎国際大院薬

1. Pharm.Sci.Nagasaki Int.Univ., 2. MONOLIS Inc., 3. Grad.Pharm.Sci.Nagasaki Int.Univ.

【目的】

膵癌は、初期症状に乏しく、症状が出現するころにはすでに進行がんであることが多い。部位別癌の5年生存率は最も低く、抗癌剤による治療は、予後の延長と症状緩和が基本であり、治癒を目指すものではない。冬虫夏草(Corcyceps)は、生きた昆虫に寄生し、昆虫の死後、宿主に特異的な子実体を形成する真菌(キノコ)である。冬虫夏草には免疫調節作用、抗腫瘍活性、アレルギー改善作用など多様な活性を示す成分が含まれていることが報告されている。しかしながら、自然環境からの絶対的供給量が極めて少ないことが、生理活性に関する研究を進展させないひとつの要因になっている。本研究では、人工培養したOphiocordyceps nutansの粉末(OCN-FD)を有機溶媒で分画し、膵癌細胞に対する抗腫瘍効果ならびにその作用機序について検討した。

【結果および考察】

OCN-FDのヒト癌細胞に対する抗腫瘍効果を検討した結果、膵癌KP-3細胞、MIA-PaCa2細胞、乳癌MDA-MB-231細胞、アドリアマイシン耐性慢性骨髄性白血病K562細胞、ボルテゾミブ耐性多発性骨髄腫KMS-11細胞及び神経芽細胞種IMR32細胞に対し有意な抗腫瘍効果を示した。OCN-FDを有機溶媒で分画し、MIA-PaCa2細胞に対する抗腫瘍効果を検討した結果、ヘキサン画分(OCN-Hex)及びブタノール画分(OCN-Bu)で強い抗腫瘍活性が認められた。OCN-FD処理細胞の細胞死の形態を観察した結果、その細胞死はアポトーシスであることが示唆された。さらにOCN-FD誘導アポトーシスのシグナル伝達系を解析した結果、OCN-FD処理によりcaspase-9及びcaspase-3の活性化を引き起こすことが明らかとなった。OCN-FDはMIA-PaCa2細胞を死滅させる濃度で正常細胞には影響を与えないことから副作用の少ない抗腫瘍薬として期待される。

Copyright (c) 2025 The Pharmaceutical Society of Japan. All Rights Reserved. Published on March 5, 2025.

 

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