監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

林美彩

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。

てんかん(癲癇)とは

大脳には数百億個もの神経細胞が存在し、これらが電気的活動を行うことによって、情報伝達が行われます。

興奮が強い場合には抑制側の神経が働き、抑制が強い場合には興奮側の神経が働くことでバランスを保っていますが、興奮と抑制のバランスに異常が生じ、激しい電気的乱れが生じることで起こる現象を『癲癇(てんかん)』と言います。

WHO(世界保健機関)によると、『てんかん』とは、

「種々の成因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な発射に由来する反復性の発作(てんかん発作)を特徴とし、それにさまざまな臨床症状及び検査所見がともなう」

と定義されています。

異常な神経活動が脳のどの部位で起こっているかによって、症状も様々です。

人と同じように犬や猫もてんかん(癲癇)を起こします。

犬や猫のてんかんの種類と特徴

てんかんには『特発性』と『症候性』の2種類に分類されます。

1.特発性てんかん

真性てんかんと呼ばれることもあり、原因不明とされているてんかんで、検査を行っても異常が見つかりません。
特発性てんかんの特徴として、以下の項目が挙げられます。

  • 初回発作が見られるのは若齢犬で1~5歳程度
  • 猫の平均発症年齢は、3.8歳
  • 初回発作と2回目発作の間隔が4週間未満だと可能性大
  • 脳のMRIは正常
  • 発作後の回復は早い
  • 1回の発作は数分で治まる事が多い
  • 発作が起きていない時は全く正常
  • 犬の場合、雄♂の方が雌♀よりも1.4倍発生率が高い

2.症候性てんかん

症候性てんかんとは、脳に何らかの障害・傷害などによっておこるてんかんです。
交通事故などによる脳外傷や脳出血、低酸素や脳炎・髄膜炎など様々な原因によって傷害を受けた場合におこるものです。
症候性てんかんの特徴として、以下の項目が挙げられます。

  • 若齢でも高齢でも発症する
  • MRIで何らかの異常が見られる
  • 発作後の回復は早い
  • 1回の発作は数分で治まる事が多い
  • 基礎疾患があるため、発作がない時も何らかの神経学的異常を伴う

症状-犬や猫のてんかん(癲癇)

前述のように、脳のどの部位で異常な神経活動が起きているかによって症状は様々です。
てんかん(癲癇)のそれぞれの漢字の意味は

癲:ひっくり返る
癇:ひきつけ、失神を伴う病気

とされており、総じて『倒れる』という意味合いが大きいようです。

比較的多くみられる症状として

  • 全身の痙攣(けいれん)や強直
  • 流涎(よだれが出ること)
  • 顔や手足の一部が痙攣

などが挙げられます。これらを含めて『てんかん発作』と呼びます。
※『てんかん=疾病名』『てんかん発作=症状』

しかし、てんかん発作の症状に似たものに『てんかん様発作』というものがあります。
てんかん様発作とは、症状はてんかんに似ているものの、脳の神経が原因ではない、別の原因(内臓疾患や有毒植物の摂取など)で起こる発作のことを指します。

『てんかん発作』と『てんかん様発作』の鑑別診断は、『国際獣医てんかん特別委員会(IVETF)』の問診表を参考にされてください。

こちらのサイトに日本語訳が掲載されております。
てんかん問診票

治療法-犬や猫のてんかん(癲癇)

完全にてんかん発作を除去することは難しいため、治療目的は発作の頻度を減らし期間を空けていくという事になります。
治療法としては、抗てんかん薬を使用します。

1種類で使用する場合もあれば、数種類混ぜて使用する場合もあります。
基本的には、飲み始めたら一生涯飲み続けることになります。

投薬開始のタイミング

  • 6ヶ月間で2回以上てんかん発作を起こした場合
  • てんかん重積を経験した場合
  • てんかん発作を起こした後の異常行動が深刻だったり、 24時間以上継続する場合
  • てんかん発作の持続時間がだんだん長くなっていたり、てんかん発作の頻度がだんだん多くなっている場合

抗てんかん薬の種類

  • フェノバルビタール
  • ゾニサミド
  • 臭化カリウム
  • レベチラセタム
  • ガバペンチン

などのお薬が使われます。
発作間隔が伸び、頻度や激しさが軽減してくればOKです。
ただ、お薬ですのでメリットもあればデメリット(副作用)があることもお忘れなく。

東洋医学的には-犬や猫のてんかん(癲癇)

てんかん発作の起こりやすい季節が『春』。
春は五臓六腑の『肝』と関連しています。
『肝』の働きの中には、血液の流れを整える以外にも、体内の気(生命活動のエネルギー源)の流れを調節する作用があります。

春は、風が吹く日が多かったり(春一番など)、植物が芽を出し成長していくように、エネルギーが上に上に昇る性質があります。
この風やエネルギーの上昇は、自然界だけでなく人間にも投影されます。

体に悪影響を及ぼす風を『風邪(ふうじゃ)』と言います。
『風邪』が体内に入ると、体の気を上に昇らせてしまうため、イライラしやすくなったり、めまいがしやすくなったり、てんかん発作も引き起こしやすくなります。

また、風が木々を揺らすように、『風邪』も体内を揺らすような性質があるため、体のふらつきなどを起こすこともあります。

『風邪』は首の後ろから入り込んできますので、ネックウォーマーなどで首を守ることによって予防出来たり、症状を緩和させることが期待できます。

その他、体の気をしっかりと巡らせるための食材(理気食材)を使ったり、肝の気の巡りを整える食材(疎肝食材)を使う事でも、症状の予防・緩和が期待できます。

犬や猫のてんかん(癲癇)対策

てんかん発作の原因の1つに、自己免疫疾患があります。
自己免疫疾患とは、自分の免疫細胞が自己を敵と認識して攻撃してしまうことによる疾患で、免疫のアンバランスが生じていることに基因します。
免疫の安定化を図ることによって、てんかん発作の頻度を減らしていくことも期待できるでしょう。

免疫調整機能が期待できるコルディにより免疫を整えることで、てんかん発作の頻度低下や発作の程度の軽減の可能性もございます。

また、神経の流れを整えることによってもてんかん発作を抑制することが期待できます。
オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)は神経の炎症を取り除いたり、流れを整える働きがあり、最近はテレビでも認知症予防のためなどで『サバ缶』をメインに取り上げられる機会が多くなりました。

EPAは血液性状を健康に保つ働きがあるため脳梗塞・血栓の予防に役立ちます。
また、DHAは血液脳関門(BBB)という特殊なバリアを通り抜けて脳に直接働きかけることが出来ることから、中枢神経系に作用して神経の流れを整えたり、低酸素による細胞障害や脳機能障害の予防にも役立つことが実験結果で明らかにされています。

特にクリルオイルは、EPAとDHAを豊富に含むだけでなく、細胞膜の構成成分と同じ「リン脂質」と結合した形のため、体に吸収されやすいものとなっています。
その他、アスタキサンチンという強力な抗酸化作用を持つ成分が加わっていることにより、EPA・DHAが酸化することを防ぐだけでなく、体内の炎症抑制にも役立ちます。

 

ここで紹介した成分が配合されたサプリメントやお薬を併用することによってお薬の減薬が可能になるケースもありますし、肝臓や腎臓の数値が高く積極的にお薬を使えないような子の場合でも、サプリメントであれば安心してお使いいただけます。

お薬だけに頼らず、お体に優しい治療法として、食事療法やサプリメントを取り入れてみてはいかがでしょうか。

犬・猫の癲癇発作・てんかん様症状が気になる方へ

当研究室では癲癇発作のある犬や猫でもコルディを投与することで免疫調整ができるのか、癌への効果が期待できるのか研究を行っています。
ご不明な点がございましたらお問合せ下さい。

監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

林美彩

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。

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