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猫エイズとは?
FIVを保有した猫との交尾・ケンカにより感染します。
日本の猫の10%~20%が感染していると考えられます。
根本的な治療法が見つかっていない病気のため発症してしまえば治療法がなく、免疫不全におちいってしまう難しい病気です。
ただし感染したからといって早期に重篤な症状が出るわけではなく、5年程度(個体差があります)の潜伏期間があります。
その間は健康な猫と変わりなく過ごすことができます。
潜伏期間が長いため、発症せずに天寿を全うできる猫もいます。
感染がわかったからといって、悲観的になりすぎることはありません。
しかし潜伏期間が長いということは、知らぬ間に他の猫に感染させてしまう可能性があるということです。
もし感染がわかったら、室内飼いを徹底するのは大事なマナーです。
猫エイズに感染する原因
猫エイズに感染している猫に噛まれたり、交尾をしたり、猫エイズに感染している母猫から産まれることで、猫エイズに感染する可能性があるのです。
FIV自体はとても弱いウイルスですから、空気感染はしません。
猫エイズは猫の10~20%程度が感染していると言われていますので、他の猫と触れあったり交尾したり、喧嘩する可能性が多い外猫は、猫エイズウイルスへの感染率が高くなります。
※猫エイズウイルス(FIV)とHIV(ヒト免疫不全ウイルス)は別のウイルスです。猫エイズに感染した猫に噛まれてもエイズを発症することはありませんのでご安心ください。
猫エイズの有効な予防法
猫エイズが発症してしまうと治癒させる方法はありませんが、まだ感染の恐れのない小さいうちに去勢・避妊手術を受けることで、感染リスクをほぼ0%にすることができます。
去勢した猫は交尾・ケンカをしなくなるため、感染の危険を極端に減らせるのです。
猫エイズワクチンについて
感染阻止率は70%と言われています。
しかしワクチンを接種したからといって他の猫と密な接触を許していては、感染を防ぐことはできません。
ワクチンはあくまで補助的なものとして考えるてください。なお感染後にワクチンを接種しても効果はありません。
もし体力が低下している・免疫力が低下している猫がワクチンを打つと、それが原因で体調がさらに悪化してしまう事がありますので猫エイズワクチンの投与を考えている時は猫ちゃんの健康状態も考えてください。
猫エイズの発症を抑える方法
猫免疫不全ウイルス(FIV)は、決して強いウイルスではありません。
免疫がしっかりしている健康な猫であればウイルスが増殖するのを抑えることができます。
しかし、猫の免疫が低下すれば、ウイルスが増殖してしまい猫エイズを発症してしまうのです。
猫エイズが発症してしまうと病気の進行を抑え込むのは難しくなってしまいます。
もし検査で陽性になったら、獣医師のアドバイスを聞いて発症を防ぎましょう。
清潔な環境では発症が遅れるとの報告があります。
室内飼いを徹底し、他の猫への感染を確実に防いでください。
猫エイズの症状
猫エイズの原因ウイルスのFIVは、猫の免疫細胞に感染しますが、FIVに感染しても初期の段階では特に目立った症状はありません。
また、今までならすぐに治っていた病気がなかなか治りにくくなることもあります。
FIVが増殖し始めると免疫力はどんどん低下してしまいます。
その結果、健康であればまったく心配のいらない細菌やカビによっても病気になってしまいます。
これは日和見感染と呼ばれています。
命を落としてしまうのは、猫エイズ自体ではなく免疫低下に伴う様々な感染症が原因です。
日和見感染-猫エイズの主な症状
通常の健康体であれば全く問題にならないような、腸内細菌や風邪などの些細な菌に体が負けてしまいます。
貧血・出血-猫エイズの主な症状
猫免疫不全ウイルス(FIV)によって造血機能を司っている骨髄が破壊されてしまうため、新たな赤血球を作り出せなくなり、貧血になります。
また、同じ理由で血小板も作り出せなくなり、出血が止まりにくくなります。
腫瘍(癌)-猫エイズの主な症状
私たちも猫も毎日身体の中で癌細胞が生まれていますが、免疫の働きによって癌細胞の増殖を抑えています。
しかし、免疫が低下することで癌細胞の増殖を抑えられなくなり、癌が発症してしまいます。
猫エイズの病期
臨床症状と感染経過に基づき、次に示す5つの病期に分類されています。
急性期
ウイルスに感染したことで、発熱や下痢、貧血、白血球減少、血小板減少、リンパ腫の腫大などの症状が現れます。
急性期は感染後数週間から4ヵ月程度持続します。
この時期にあわせて抗体検査(抗FIV抗体)が陽性になります。
無症候性キャリアー期
急性期の症状が消失する時期です。FIVに感染してもすぐに発症しない潜伏期間です。
症状が出ない潜伏期間は、猫の健康状態・免疫力にもよりますが数ヶ月から数年あると言われています
中にはFIPに感染していても一生発症しない子もいます。
目立った症状はありませんが無症状であっても抗体やウイルスは陽性です。
持続性リンパ節腫大期
免疫細胞が固まって存在している全身のリンパ節が腫れる等の症状が見られます。この期間は2~4ヶ月と短いため見逃されることも少なくありません。
エイズ関連症候群期
猫エイズの発症により免疫力が落ち、体が細菌やウイルスに感染してしやすくなり様々な症状(口内炎、呼吸器・消化管・皮膚疾患)が現れるようになります。
後天性免疫不全症候群期
最後は免疫機能が完全に失われてしまい様々な症状(貧血、悪性腫瘍、日和見感染症など)が出て、最終的になくなってしまいます。
免疫が働かないため口内炎や呼吸器感染、皮膚や耳の感染なども慢性的にみられます。
猫エイズの治療
現れた症状に対する対処療法が主になります。
感染に対しては主にインターフェロンや抗生剤(菌)が使用されます。
免疫を高めましょう
免疫を高めて感染症にかからないようにしてください。
適度な運動や質の良いフードは役立つでしょう。
心配な時はコルディを利用いただき免疫力を保ってください。
猫エイズウイルスに感染しても発症させないことが大事です。
もし発症してしまっても、病状が進行しないように免疫を整えてください。
猫エイズ対策
猫がエイズウイルス(FIV)に感染し、猫エイズを発病してしまうといずれ免疫不全に陥り命を落としてしまうため「お先真っ暗」な気持ちになってしまうと思います。
確かに猫がエイズを発症してしまうと現時点で治す方法はありませんが、しかし、免疫不全に陥らないようにコルディで免疫を整えてあげる事で病気の進行を遅らせることは期待できると思います。
また、あわせて肝機能対策として国産SPF豚由来プラセンタキス末や抗炎症対策としてEPA/DHAを豊富に含むクリルオイルを与え、さらに身体に必要な栄養素の補給(特にアルブミン不足にならないようアミノ酸製剤としてBCAAやグリーントライプ)を与えることで、体力を維持していける可能性があります。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
※免疫調整機能が期待できる特定種の冬虫夏草の菌、コルディの人への応用も研究しております。
監修獣医師:林美彩 所属クリニック:chicoどうぶつ診療所
代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。
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