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がん抑制に関わる身近なビタミン
がん治療とビタミンA
- レチノール・・・ビタミンAのこと。動物性食品に多く含まれる。特にレバーに多い。
- ベータカロチン・・・ビタミンAの前駆体。体内でビタミンAに変換される。野菜類に多く含まれる。にんじん、緑黄色野菜に多い。
ビタミンAは細胞膜の損傷を防ぎ、がん治療に有用です。過剰摂取は中毒の恐れがありますが、β-カロチンとして摂取した場合はその心配はありません。
猫はβ-カロチンをビタミンAに変換することができないため、レチノールを摂取することが必要です。
がん治療とビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を持っています。細胞が酸化されるのを身代わりになって防いでくれるので、がん抑制に重要です。ビタミンEを再生する働きも持っています。
体内の酸化反応が一概に悪いわけではありません。外部から侵入する細菌を破壊するときなどに酸化反応は重要です。生命維持に欠かせない「酸化」ですが、過剰になるとがんの発生機会を増やし、がんの成長を促進させます。
犬や猫は人間と違い、体内でビタミンCを合成することができます。ですが癌などの消耗性疾患のときは、外部からも摂取したほうが良いでしょう。取り過ぎによる害はありません。
点滴による高用量ビタミンCの投与は、副作用の極めて少ないがん治療法として注目されています。
がん治療とビタミンD
ビタミンDは骨を強くするビタミンとして知られていますが、大規模な調査によりがん抑制効果があることがわかっています。
私たち人間は日光を浴びることで、体内のコレステロールからビタミンDを合成することができます。しかし犬や猫はビタミンDを体内で作ることができません。必ず外部から摂取する必要があります。
がん治療とビタミンE
抗酸化作用があり細胞膜の酸化を防いでいます。免疫機能を高める効果も持っており、がん抑制に重要なビタミンです。
過剰摂取で中毒になることは滅多にありませんが、必要以上の酸化抑制は生体にとってデメリットとなることもあります。
そもそもビタミンって何?
ビタミンは生体に必須の栄養素であり、炭水化物、タンパク質、脂質のように大量には必要としませんが、生命を維持するために非常に重要な物質です。ビタミンのほとんどは体内で作ることができませんから食事から摂取する必要があります。ビタミンと同じく少量摂取が必要な物質にミネラルがありますが、ミネラルは無機物でありビタミンは有機化合物だという違いがあります。
厳密にビタミンといった場合、機能的に分類して13種類があげられます。もっと広く、ビタミン様物質を含めて数えると30種類を越えます。(ビタミン様物質:葉酸、アミグダリンなど)
なお人間にとってビタミンであるアスコルビン酸(ビタミンC)ですが、実は犬や猫は体内で合成することができます。ですので犬や猫の視点で考えるとアスコルビン酸はビタミンではありません。
ビタミンはどうやって摂るの?
基本的にビタミンは食事から摂取します。ビタミンCは野菜・果物に、ビタミンB類は肉・魚に、ビタミンDは魚類に豊富です。一つの食材に偏らず、バランスの良い食事をすることが理想です。なぜならば、ビタミンは他のビタミンの存在下で作用が増強されるものもあるからです。逆に不足しているビタミンを他のビタミンが補ってくれることはありません。
市販のペットフードもビタミンが添加されているものが多いですが、もともと食材に含まれた形での摂取がおススメです。
加熱処理されたペットフードはもともとの食材に含まれるビタミンがかなり失われてしまっているため、ペットフードに自然食を追加されるた方が宜しいと思います。
がんのようにビタミンを大量に消耗させる病気の場合は必要最低量ではなく、その数倍~数十倍を積極的に摂取すべきとの考えもあります。
がんになると食欲が低下することも少なくありませんから、サプリメントなどを積極的に利用してビタミンを補う事も大切です。
手軽にできることは?
主食はドライフードでも、ちょっと工夫するだけでビタミンの摂取量を増やすことができます。
例えば、加熱処理していない食材を一品加えてみる。粉末の青汁(非加熱タイプ)をかけてみる。ビール酵母(エビオス錠など)を砕いて食事に混ぜる。
他にもいろいろ工夫できることがあると思います。
自然食を普段の食事にプラスすることはフードだけを与えるよりも手も時間もかかることになります。
どうしても時間を取るのが難しい場合には、例えばグリーントライプ(反芻動物の胃袋)や非加熱の青汁などをフードに振りかけるだけでも酵素やビタミンやミネラル、乳酸菌などを食べさせてあげることができます。
がんと共存するためにコルディで免疫対策を
コルディ研究室ではコルディが免疫に及ぼす作用および癌を患った犬・猫への予防効果について研究を行っております。
また、グリーントライプ(反芻動物の胃袋)や非加熱の青汁に含まれるビタミンやミネラルが生体に及ぼす作用についても研究を進めています。
ご不明な点がございましたら、お問合せ下さい。
監修獣医師:林美彩 所属クリニック:chicoどうぶつ診療所
代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。
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