
健康診断で「要経過観察」と言われたとき、多くの飼い主が感じるのは「何か悪いことが起きているのではないか」という不安です。しかし多くの場合、それは今すぐ治療を始める段階ではなく、体の変化を丁寧に見守りながら生活を整える期間でもあります。この記事の目的は、病名を断定することではなく、犬や猫と飼い主が穏やかな時間をできるだけ長く共有するためのQOLを守ることです。
医食同源という言葉を精神論に終わらせず、食事や生活環境を細胞レベルの防御策として捉え直すことで、日々のケアは「病気になってから慌てる対策」ではなく「未病を防ぐ戦略」になります。もし健康診断の結果を見て自分の飼い方を責めてしまっているなら、その気持ちは今日で終わりにしてください。今から整えればよいという希望を、具体的な行動に変えることができます。
この記事では、結果票の見方を家庭の観察に置き換える方法、飲水量や排泄の記録の取り方、食事と体重管理の整え方、そして次の受診で困らない質問メモの作り方までを、今日から実行できる形で整理します。
目次
健康診断で気付いた変化を日ごろのケアにつなげる考え方
健康診断で「経過観察」と言われたときに大切なのは、異常を探し続けることではなく、日常のケアを整えて体の変化を理解することです。検査結果はゴールではなく、生活を見直すヒントです。まずは焦らず、何を見守ればよいのかを整理することから始めます。
要経過観察と言われたときに落ち着くための整理
健康診断で「要経過観察」と言われると、多くの飼い主は「病気の前段階なのでは」と考えてしまいます。しかしこの言葉は、すぐに治療が必要という意味ではなく「数値や症状の変化を一定期間見守る」という医学的な判断です。 例えば血液検査の肝酵素や血糖値などは、体調、食事、ストレス、運動量などの影響を受けて一時的に変動することがあります。そのため一度の数値だけで判断せず、一定期間の変化を見ることが重要になります。 ここで大切なのは「怖がって生活を大きく変えすぎない」ことです。急激な食事変更や運動量の増加は、かえってストレスを増やす可能性があります。 まず今日できる行動としておすすめなのは、健康診断の結果票を次の3つに分けて整理することです。
・経過観察と言われた項目
・正常範囲だが境界に近い項目
・生活で関係しそうな項目
これをメモにしておくと、次の診察で「何を聞けばいいのか」が明確になります。落ち着いて整理することが、経過観察の第一歩です。
結果票の用語を家庭の観察に置き換えるコツ
検査結果には専門用語が多く、数字だけを見ても日常生活と結びつきにくいことがあります。そこで役立つのが「検査項目を家庭の観察ポイントに翻訳する」という考え方です。
例えば次のように置き換えて考えると理解しやすくなります。
肝臓関連の数値
→ 食欲の変化、元気度、体重変化
血糖関連の数値
→ 水を飲む量、尿の回数
炎症関連の指標
→ 皮膚の赤み、かゆみ、口臭
このように考えると、検査の数字は「生活の観察テーマ」に変わります。
特に猫は代謝の特徴としてグルクロン酸抱合が弱く、肝臓に負担がかかりやすい体質があります。そのため食欲や食べムラは、単なる気まぐれではなく体調のサインになることがあります。
今日からできる行動として、観察ノートを1冊用意し「食欲・水・排泄・元気」の4つだけを毎日簡単に記録してみてください。長い文章を書く必要はありません。○や△の記号だけでも、後から見返すと大きなヒントになります。
変えすぎないために決めるケアの優先順位
健康診断のあとに起こりやすいのが「全部変えようとして続かない」という状態です。食事、歯みがき、体重管理、運動、サプリメントなどを一度に始めると、犬猫にとっても飼い主にとっても負担になります。
そこで重要なのが優先順位です。多くの場合、次の順番で整えると無理なく続きます。
食事
体重
排泄
口腔ケア
皮膚ケア
食事は体の細胞を作る材料であり、未病対策の土台です。一般的に犬猫の体は高タンパク低糖質の食事に適応しています。ただし肝機能の低下やアンモニア血症の疑いがある場合は、タンパク質の量よりもBCAAなどのアミノ酸バランスを意識する必要があります。これは自己判断ではなく獣医師と相談しながら調整することが重要です。
また慢性的な炎症体質が疑われる場合には、オメガ3脂肪酸の摂取を検討するケースもあります。クリルオイルなどに含まれるオメガ3脂肪酸はリン脂質結合型で細胞膜に取り込まれやすいと言われ、炎症ケアの文脈で語られることがあります。ただし体質や薬との関係を確認する必要があるため、導入は必ず獣医師に相談することが前提です。
今日からできる行動は一つだけで十分です。 まず「ごはんの量を量って与える習慣」を作ってください。目分量をやめるだけで、体重管理の精度は大きく変わります。
次回までにそろえる観察のしかたと記録のコツ
経過観察の期間は「何もしない時間」ではなく、体の変化を理解するための大切な観察期間です。大げさな医療記録を作る必要はありません。水、尿、便という基本的な生理サインを整えて観察するだけで、次回の診察で役立つ情報になります。ここでは無理なく続く記録のコツを紹介します。
水を飲む量が増えたかどうかを測る方法
飲水量の変化は、体調を知る重要なサインです。特に腎臓、糖代謝、ホルモンバランスなどに関わる変化は「水をよく飲む」という形で現れることがあります。犬や猫は言葉で体調を伝えられないため、飲水量の変化は家庭で気付ける貴重な情報になります。
ただし「たくさん飲んでいる気がする」という感覚だけでは判断が難しいため、簡単な測定をしてみましょう。方法はとてもシンプルです。朝に水を入れるとき、計量カップで入れた量をメモしておき、翌朝に残っている水の量を差し引くだけです。これで一日の飲水量が大まかに分かります。
目安として、健康な犬猫の飲水量は体重1kgあたりおよそ40〜60ml程度と言われます。ただし気温、食事内容、運動量によって大きく変わるため、数字そのものより「いつもより増えているかどうか」を見ることが重要です。
もし飲水量が急に大きく増えた場合は、腎臓や糖代謝のトラブルが隠れている可能性もあるため、次回診察を待たず病院に相談することが望ましい場合があります。
今日からできる行動として、水皿の横に小さなメモ帳を置き「入れた量」と「残った量」を書くだけの飲水記録を始めてみてください。数日続けるだけでも大きなヒントになります。
尿の回数を記録する方法
尿の回数や量の変化も、体調を知る重要な手がかりです。特に飲水量の変化と組み合わせて見ることで、腎臓やホルモンの状態を推測するヒントになります。
犬の場合は散歩のタイミングで排尿することが多いため、比較的記録しやすいですが、猫の場合はトイレの回数を把握するのが難しいことがあります。その場合は、トイレ掃除のタイミングで固まりの数を数えるだけでも十分役立ちます。
例えば猫トイレであれば、
朝の掃除時の固まり数
夜の掃除時の固まり数
この二つをメモするだけでも、排尿パターンが見えてきます。
もし排尿回数が急に増えたり、トイレに何度も行くのに少量しか出ていない場合は注意が必要です。特に猫は尿路閉塞を起こすことがあり、排尿姿勢を取るのに尿が出ない場合は早めの受診が必要になることがあります。
今日からできる行動として、スマートフォンのメモ機能で「朝」「夜」の排尿回数だけを記録してみてください。細かく書こうとすると続かないため、回数だけで十分です。
便の状態を写真で記録するときの注意点
便は消化状態、腸内環境、食事内容などを反映する重要な情報です。しかし多くの飼い主が「なんとなく覚えているだけ」で終わってしまいます。そこで役立つのが写真記録です。
写真を撮ることで、後から見返したときに状態の変化を客観的に比較できます。例えば、柔らかさ、色、量、未消化物の有無などがわかりやすくなります。
ただし写真記録にはいくつか注意点があります。まず撮影距離を毎回できるだけ同じにすることです。距離が違うと大きさの比較が難しくなります。またフラッシュを使うと色が変わって見えることがあるため、自然光で撮影する方が観察には向いています。
便の色が黒っぽいタール状になる、鮮血が混じる、急激な水様便が続くなどの変化がある場合は、様子見ではなく早めの受診が必要なサインになることがあります。
今日からできる行動として、スマートフォンのアルバムに「ペット健康記録」というフォルダを作り、便の写真を数日に一度残してみてください。診察時に見せることで、獣医師が状態を理解しやすくなります。
食事とおやつの見直しで迷いやすいポイント
健康診断の結果をきっかけに、最初に見直すことが多いのが食事です。食事は体の細胞を作る材料であり、未病対策の土台になります。ただし急に食事内容を大きく変えると、犬猫のストレスや消化負担になることがあります。ここでは無理なく続けられる見直し方を整理します。
ごはんの量を決めるときの考え方と調整の目安
食事量を決めるとき、多くの飼い主はフードパッケージに書かれている給与量を参考にします。しかしこの数値はあくまで目安であり、体重、年齢、運動量、避妊去勢の有無などによって適正量は変わります。
重要なのは「食べた量」ではなく「体型の変化」です。例えば背中を触ったときに肋骨が軽く触れる程度であれば適正体型に近いことが多く、逆に肋骨が全く触れない場合は体脂肪が増えている可能性があります。
犬猫の体は基本的に高タンパク低糖質の栄養構成に適応しています。筋肉維持や免疫バランスの維持のためにも、タンパク質は重要な栄養素です。ただし肝機能の低下が疑われる場合や、アンモニア代謝に負担がかかる状態では、通常の高タンパク食が適さないケースもあります。その場合は、タンパク質量を単純に増減するのではなく、BCAAなどアミノ酸バランスを意識した栄養設計が検討されることがあります。こうした調整は必ず獣医師と相談しながら進めることが大切です。
また猫では偏食や食べムラが、単なる好みではなく肝臓の負担のサインとして現れることがあります。特に猫は代謝の特徴としてグルクロン酸抱合が弱く、肝臓の解毒負担が大きくなりやすい体質があります。そのため食欲の変化は小さな変化でも観察しておく価値があります。
今日からできる行動として、食事量をキッチンスケールで計量する習慣を作ってみてください。目分量をやめるだけで、体重管理の精度は大きく変わります。
おやつの量の目安と家族ルールの作り方
健康診断で体重増加や血液数値の変化が見つかる場合、その原因の一つになりやすいのが「家族それぞれがおやつを与えていること」です。飼い主自身は少量のつもりでも、家族全員が与えるとカロリーは簡単に増えてしまいます。
一般的には、おやつのカロリーは一日の総摂取カロリーの10%以内が目安とされています。ただし重要なのは「数字を守ること」よりも「家族のルールを統一すること」です。
おすすめの方法は、おやつを一日分だけ小さな容器に入れておくことです。その容器の中に入っている量だけを、その日のおやつとして使います。誰かが与えた場合も残量を見れば分かるため、与えすぎを防ぎやすくなります。
またおやつの内容も見直してみましょう。糖質の多い加工おやつより、タンパク質中心のおやつの方が体重管理には向いていることがあります。ただし食事内容とのバランスや持病の状況によって適切な選択は変わるため、特定の食品を万能視しないことが大切です。
今日からできる行動として「おやつボックス」を作り、一日の量を最初に決めておく家族ルールを試してみてください。
食べ方の変化が示すサインと見守り方
犬猫の健康状態は「食べる量」だけでなく「食べ方」にも現れます。例えば次のような変化は、体調の変化を示すヒントになることがあります。
食べるスピードが急に遅くなる
途中で食べるのをやめる
好きだったフードを残す
食べ物を口から落とす
こうした変化は、口腔トラブル、消化不良、体調低下など様々な理由で起こる可能性があります。特に猫の場合、急激な食欲低下が続くと脂肪肝のリスクにつながることがあるため注意が必要です。
また、がんなどの疾患では「好物の変化」や「なんとなく元気がない」といった曖昧なサインが最初に現れることがあります。年齢のせいと決めつけず、変化をメモしておくと診察時に役立ちます。
もし抗がん剤治療を受けている場合は、飼い主の安全にも配慮が必要です。排泄物の処理には手袋を使用し、寝具は別洗いにする、室内の換気を十分に行うなどの基本的な安全対策が推奨されることがあります。
今日からできる行動として、食事の様子を週に一度スマートフォンで動画撮影してみてください。後から見返すことで、食べ方の微妙な変化に気付きやすくなります。
体重と体型を無理なく管理する習慣づくり
体重管理は見た目の問題ではなく、体の負担を減らすための重要なケアです。犬猫の体重は少しずつ増えるため、毎日見ている飼い主ほど気付きにくいことがあります。無理な運動や食事制限ではなく、生活のリズムを整えることで自然な体型管理を目指します。
体重増加に気付かないときのサイン
犬猫の体重はゆっくり増えるため、飼い主は変化に気付きにくいことがあります。しかし体は小さなサインを出しています。
例えば次のような変化が見られる場合、体脂肪が増えている可能性があります。
背中を触っても肋骨が感じにくい
首回りの肉が厚くなった
猫でお腹の脂肪の袋が大きくなってきた
ジャンプや階段を嫌がる
体重増加は見た目の問題ではなく、肝臓、関節、心臓などへの負担につながる可能性があります。特に猫では肥満が脂肪肝のリスク要因の一つになることがあります。
大切なのは「太ったかどうか」ではなく、「以前と体型が変わったかどうか」です。写真を比較すると気付きやすくなります。
今日からできる行動として、犬猫を真上と横からスマートフォンで撮影し、月に一度同じ角度で写真を残してみてください。体型の変化は写真で見ると分かりやすくなります。
家での体重測定を続ける工夫
体重測定は健康管理の基本ですが、家庭では意外と続かないものです。理由の多くは「測定が大変だから」です。そこで重要なのは簡単な方法を作ることです。
小型犬や猫であれば、まず飼い主が体重計に乗り、その後ペットを抱っこして再度測ります。その差がペットの体重になります。これなら特別な機器は必要ありません。
測定頻度は毎日でなくても問題ありません。月に2回程度でも、長期的な変化を見るには十分役立ちます。
また体重の数字だけでなく、筋肉量も重要です。高齢期になると体重が同じでも筋肉が減り脂肪が増えることがあります。そのため食事ではタンパク質が重要な役割を持ちます。ただし肝機能が低下している場合などは、タンパク質量の調整やBCAAを中心とした栄養設計が検討されることがあります。
今日からできる行動として、体重測定の日をカレンダーに「健康チェックの日」として書き込んでみてください。予定化することで習慣化しやすくなります。
運動量を増やすより先に整えたい生活リズム
体重管理というと「もっと運動させるべき」と考える人が多いですが、実際には生活リズムの方が大きく影響することがあります。
例えば次のような生活習慣は体重増加につながりやすい傾向があります。
夜遅い時間の食事
家族それぞれがおやつを与える
活動時間が短く昼寝が長い
まずは生活リズムを整えることが重要です。
犬であれば散歩時間を毎日同じ時間にする、猫であれば遊びの時間を決めておくと活動量が安定します。
また室内環境も重要です。寒さで体が冷えると活動量が落ちることがあります。腹部を冷やさない環境づくりは腸の免疫に関わるパイエル板の働きにも関係すると言われています。腹巻きなどで体を冷やさない工夫を取り入れる飼い主もいます。
今日からできる行動として、毎日5分だけでも遊びの時間を決めてみてください。短時間でも習慣化することが体調の安定につながります。
口のケアを始めるときの現実的な進め方
口腔環境は全身の健康と関係しています。しかし歯みがきを嫌がる犬猫は多く、続かない飼い主も少なくありません。重要なのは完璧な歯みがきではなく、無理なく続けられるケアです。
歯みがきを嫌がるときの続け方のコツ
歯みがきが続かない最大の理由は「最初から完璧にやろうとすること」です。歯ブラシで全ての歯を磨こうとすると、犬猫は嫌がることが多くなります。
まずは口周りを触ることに慣れてもらう段階から始めます。
唇を軽く触る
口元をなでる
指で歯に触れる
このような段階を踏むことで、徐々に口のケアに慣れていきます。
歯周病は犬猫で非常に多く見られる疾患で、口腔内の炎症が全身の炎症反応と関係する可能性も指摘されています。そのため歯みがきは美容ではなく健康管理の一つです。
今日からできる行動として、歯ブラシを使う前に「口元を触る練習」を一日数秒から始めてみてください。
口のにおいや歯ぐきの変化を見つける見方
歯周トラブルは、いきなり大きな症状として現れるわけではありません。多くの場合、小さな変化から始まります。
例えば次のような変化は注意して観察する価値があります。
口臭が強くなる
歯ぐきが赤い
歯ぐきが腫れている
よだれが増える
こうした変化は歯石や歯周炎の初期サインであることがあります。
口腔トラブルは食欲低下の原因になることもあります。食べ方の変化と合わせて観察すると分かりやすくなります。
今日からできる行動として、週に一度だけ歯ぐきを軽く確認してみてください。歯ぐきの色がピンクから赤くなっていないかを見るだけでも十分な観察になります。
ケア用品を選ぶときに確認したいポイント
歯みがき用品には多くの種類があります。歯ブラシ、歯みがきシート、デンタルガムなど様々ですが、重要なのは「続けられるものを選ぶこと」です。
猫の場合は特に添加物への配慮が必要です。猫は代謝の特徴として一部の化学物質の処理能力が弱く、過剰な添加物が体に負担になる可能性があります。そのため成分表示を確認する習慣が大切です。
またデンタルガムは便利ですが、カロリーが高い製品もあります。おやつとしてのカロリーも考慮する必要があります。
今日からできる行動として、今使っているケア用品の成分表示を一度確認してみてください。意外な気付きがあることがあります。
皮膚と被毛の状態からわかることと日常の手入れ
皮膚は体の状態を映す鏡とも言われます。かゆみや被毛の変化は、食事、アレルギー、炎症など様々な要因と関係することがあります。日常のケアの中で観察することが重要です。
かゆみや赤みを見つけたときの観察ポイント
犬猫が体を掻くことは珍しくありませんが、掻く頻度や部位の変化は体調のヒントになります。
例えば
同じ場所を繰り返し掻く
耳や足を頻繁に舐める
皮膚が赤くなる
こうした変化は皮膚炎やアレルギー反応などと関係する可能性があります。
慢性的な炎症が続く場合、食事中の脂肪酸バランスの見直しが検討されることもあります。オメガ3脂肪酸は炎症ケアの文脈で語られることがあり、クリルオイルなどはリン脂質結合型で細胞膜に取り込まれやすいと説明されることがあります。ただし体質や持病によって適さないケースもあるため、導入は獣医師と相談することが前提です。
今日からできる行動として、掻いている部位をスマートフォンで写真に残しておくと、診察時に変化を説明しやすくなります。
ブラッシングで確認したい体の変化
ブラッシングは毛を整えるだけのケアではありません。体の変化を見つけるための重要な時間でもあります。
ブラッシング中に次のような変化がないか確認してみてください。
しこり
皮膚の赤み
脱毛
フケの増加
腫瘍性疾患では、小さなしこりとして最初に見つかることがあります。すぐに病気と決めつける必要はありませんが、変化を記録しておくことは重要です。
特に高齢期では、なんとなく元気がない、毛並みが変わるといった変化が体調のサインになることがあります。
今日からできる行動として、ブラッシングの時間を「健康チェックの時間」として意識してみてください。
シャンプーや保湿の頻度で迷ったときの考え方
シャンプーの頻度は犬種や皮膚状態によって異なります。頻繁すぎるシャンプーは皮膚のバリア機能を弱めることがあります。
皮膚の健康には、皮脂バランスと水分バランスが重要です。そのためシャンプーだけでなく保湿ケアも検討されることがあります。
乾燥が強い季節には保湿ローションなどを使うことで皮膚の状態が安定する場合もあります。ただし皮膚炎がある場合は自己判断でケア用品を増やすのではなく、獣医師に相談することが重要です。
今日からできる行動として、シャンプー後に皮膚の状態を写真で残してみてください。次回シャンプー時との比較がしやすくなります。
通院や再検査に備えてストレスを増やさない工夫
通院や再検査は犬猫にとってストレスになることがあります。経過観察の期間は、次の受診をスムーズにする準備期間でもあります。移動や待ち時間のストレスを減らす工夫を整えておきましょう。
移動やキャリーに慣れるための段階的な練習
キャリーケースを「病院に行くときだけ使うもの」にすると、犬猫はキャリーを見るだけで警戒するようになります。
そのため日常生活の中でキャリーを置いておくことが効果的です。
キャリーを部屋に置く
中に毛布を入れる
おやつを置く
このようにすると安心できる場所として認識されることがあります。
今日からできる行動として、キャリーケースを普段から部屋に置き「安心できる場所」にしてみてください。
病院で落ち着きやすくする持ち物と過ごし方
動物病院では他の動物の匂いや音が刺激になることがあります。安心できる匂いのある毛布やタオルを持参すると落ち着くことがあります。
また待合室ではキャリーを床に置くより、膝の上や椅子の上に置く方が安心する犬猫もいます。
今日からできる行動として、通院専用の毛布を一枚用意してみてください。匂いが安心材料になることがあります。
再検査のタイミングを相談するときの伝え方
再検査の時期は、検査結果の数値だけでなく生活状況や症状の変化も参考に決められることがあります。
そのため診察時には次のような情報を伝えると役立ちます。
飲水量
排尿回数
食欲の変化
体重
記録しておくことで、獣医師が判断しやすくなります。
今日からできる行動として、健康記録をスマートフォンにまとめておきましょう。診察時に見せることで説明がスムーズになります。
次の受診で困らないための質問メモの作り方
診察のときに聞きたいことがあっても、いざその場になると忘れてしまうことがあります。質問メモを作ることで、診察時間を有効に使うことができます。
結果票で特に確認したい数値と変化の聞き方
健康診断の結果票には多くの数値が並びますが、全てを理解する必要はありません。重要なのは「変化」です。
例えば次のように質問すると理解しやすくなります。
前回と比べてどの数値が変化していますか
生活で注意するポイントはありますか
次回検査の目安はいつですか
こうした質問は診察をスムーズにします。
今日からできる行動として、健康診断の結果票に付箋を貼り、聞きたい項目に印を付けておきましょう。
家庭での観察と記録をどう見てもらうか
家庭で記録した情報は、診察時の重要な参考になります。ただし長い文章を書く必要はありません。
飲水量
排尿回数
食欲
体重
この4つだけでも十分です。
スマートフォンのメモや写真を見せることで、獣医師が状況を理解しやすくなります。
今日からできる行動として、健康記録のスクリーンショットを診察前にまとめておきましょう。
生活のどこを変えるか相談するための質問リスト
生活改善は自己判断で行うより、獣医師と相談しながら進める方が安心です。
例えば次のような質問が役立ちます。
食事量はこのままでよいですか
体重の目標はどのくらいですか
再検査までに気を付ける症状はありますか
質問メモを持っていくだけで、診察の質は大きく変わります。
今日からできる行動として、スマートフォンに「次回診察メモ」を作っておきましょう。
よくある質問
健康診断で経過観察と言われたとき、多くの飼い主が同じ疑問を持ちます。ここでは特に相談の多い質問を整理します。
要経過観察と言われたらすぐ治療が必要ですか
必ずしもすぐに治療が必要という意味ではありません。多くの場合、数値の変化や症状の経過を一定期間見守る段階です。
この期間は、生活習慣を整え体調の変化を観察する時間でもあります。食事、体重、排泄など基本的な生活を整えることが重要です。
ただし元気が急に低下する、食欲が大きく落ちる、排尿や排便に異常があるなどの変化があれば、再診のタイミングを待たずに相談することが望ましい場合があります。
水を飲む量や尿の回数はどれくらいなら受診の目安ですか
一般的な目安として、飲水量が体重1kgあたり100mlを大きく超える状態が続く場合や、排尿回数が急に増える場合は注意が必要と言われています。
ただし重要なのは絶対的な数値ではなく「その子の普段との違い」です。急な変化がある場合は、早めに相談することで原因の特定につながることがあります。
歯みがきをどうしても嫌がるときはどうすればいいですか
歯みがきが難しい場合でも、口周りを触る練習や歯みがきシートなどから始める方法があります。無理に歯ブラシを使う必要はありません。
口臭の強まり、歯ぐきの赤み、よだれの増加などが見られる場合は、歯周トラブルの可能性があるため病院での相談が役立つことがあります。
健康診断の「経過観察」は、何もできない時間ではありません。
日常のケアを整え、小さな変化に気付くことで、犬猫の体を守る行動につながります。
飼い主が落ち着いて観察し、笑顔で接することも大切なケアの一つです。触れ合いはストレスを和らげ、安心感を生むと言われています。
完璧なケアを目指す必要はありません。
今日できる小さな行動を一つずつ積み重ねることが、犬猫と長く穏やかな時間を過ごす土台になります。
当研究室では、コルディを投与することで免疫調整ができるのか、QOL(生活の質)の維持・改善ができるのか、癌への効果が期待できるのか研究を行っています。
ご不明な点がございましたら、お問合せ下さい。
監修獣医師:林美彩 所属クリニック:chicoどうぶつ診療所
代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。
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