犬や猫が生きていくために必要なアミノ酸がどのような働きをするのか、下記にまとめましたのでご一読ください。

ロイシン

筋肉の形成促進、筋肉の分解抑制、肝臓の機能強化に効果があるといわれています。
また、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌を増加させる作用があり、ブドウ糖を筋肉細胞内に取り込む手助けをすることができます。
さらに、エンドルフィンという脳内の神経伝達物質(鎮痛、幸福感などが得られる物質)と同様の効果があることから、ストレス緩和も期待できます。

【ロイシンが多く含まれる食材】
・牛肉
・豚肉
・鶏肉
・レバー
・シャケ
・アジ
・カツオ
・大豆製品

【ロイシンの欠乏によっておこること】
・肝機能の低下⇒のちにインスリン不足を起こし、糖尿病の原因にもなる。
・筋力の低下
・疲労蓄積
・抜け毛

イソロイシン

筋肉や体の成長促進、血管拡張効果、肝機能の強化にも効果があると言われています。
また、イソロイシン独自の効果としては、神経の働きをサポートする作用があります。
その他、疲労回復、糖尿病予防、肌や髪の健康維持にも重要なアミノ酸です。

【イソロイシンが多く含まれる食材】
・鶏肉
・豚肉
・鶏卵
・シャケ
・クロマグロ

【イソロイシンの欠乏によっておこること】
・筋肉減少
・髪(被毛)の潤い低下
・皮膚の炎症

バリン

成長に関与するアミノ酸で、肝機能の強化、血液中の窒素バランスの調整、筋肉修復効果があると言われています。
また美肌にも効果があり、肌のハリを保ったり、アンモニアの代謝を促進するためデトックス効果も期待できます。

【バリンが多く含まれる食材】
・レバー
・クロマグロ
・豆腐

【バリンの欠乏によっておこること】
・食欲低下
・栄養不良

リジン

体を構成するたんぱく質の構成に必要な栄養素で、疲労回復や身体組織の修復、集中力を高める効果があると言われています。
その他、肝機能のサポートや、血圧を下げる効果があり、脂肪をエネルギーに変換するのに必要なカルニチンという成分の材料にもなります。

【リジンが多く含まれる食材】
・カツオ
・アジ
・鶏肉

【リジンの欠乏によっておこること】
・疲労蓄積
・肝機能低下
・コレステロール増加
・貧血
・吐き気
・めまい

アルギニン

成長ホルモンの分泌を促進することで、筋肉組織の強化や免疫力を高める効果があります。さらに、インスリンやグルカゴンの分泌促進にも関わりますので、血糖値の安定化にも効果があると考えられます。
その他、アンモニアの解毒や一酸化窒素を作ることによる血管拡張・血流改善効果が期待できます。

【アルギニンが多く含まれる食材】
・鶏肉
・豚肉
・大豆
・無調整豆乳
・高野豆腐
・ゴマ

【アルギニンの欠乏によっておこること】
・成長不良
・動脈硬化
・老化促進
・むくみ

タウリン

人・犬では体内で合成できますが、猫はタウリンを合成する酵素がないため、食事で摂取しなければなりません。
タウリンは肝機能の強化や交感神経抑制による血圧を下げる効果(腎臓の負担も軽減します)や、抗酸化作用があります。
また、悪玉コレステロールを排除することにより血液状態を改善、血液循環が良くなることで新陳代謝が活性化しますので、アンチエイジングやダイエットにも効果的です。
その他、ミトコンドリアを増やす作用があることから、体力アップにも効果があると言われています。

【タウリンが多く含まれる食材】
・カキ
・エビ
・イワシ
・サンマ

【タウリンの欠乏によっておこること】
・視力低下
・拡張型心筋症
・免疫機能不全
・繁殖機能低下

トリプトファン

精神安定、鎮痛作用を持つ神経伝達物質(セロトニン:体温調節や睡眠などにも関与))の原材料となります。セロトニンはメラトニンに変換されることで、体内時計調節や睡眠サイクルの調節を行います。
その他、アンチエイジング効果、集中力や記憶力の向上効果などが期待できます。

【トリプトファンが多く含まれる食材】
・豆乳
・バナナ
・鰹節

【トリプトファンの欠乏によっておこること】
・セロトニン不足による精神不安定、うつ病、恐怖症
・不眠症
・多動症
・(子猫で)食欲低下、体重減少

アミノ酸はバランスよく摂取することで、体内に吸収されやすく、各々の効果を発揮します。
犬や猫、ペット達にアミノ酸サプリメントを与える時は、ここで紹介したアミノ酸が含まれていて余計な添加物が無いものを選ばれるとよろしいかと思います。

アミノ酸のサプリは積極的にタンパク質を摂取できない子だけでなく、体力が低下している子、また健康維持にもお薦めです。

監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。

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